「これ、やりたくない!」の壁にぶつかったとき
「計算問題は好きだけど、文章題はやりたくない」
「社会は面白いけど、算数はいやだ」
「塾の宿題、やる気が出ない…」
お母さんの心の中で、「全部きちんとやらないと間に合わないよ!」という不安が大きくなりますよね。
「こんなペースで大丈夫なのかな?」
「無理にでもやらせるべき?」
でも、子どもは「やりたいことしかやらない」わけではなく、「自分が楽しいと思えることに夢中になる」という純粋な気持ちがあるんです。
「やりたいことしかやらない」の本当の理由
「できる」を実感したい
子どもは、「できた!」という達成感を強く求めます。
好きな科目や得意なことは「できる実感」が多く、それが嬉しくて、もっとやりたくなるんです。
苦手に対する「不安」と「怖さ」
反対に、苦手な科目や難しい問題に挑むのは、とても勇気が必要です。
「どうせできないかも…」
「間違えたら嫌だな…」
そんな気持ちが、やりたいことだけに逃げる理由になってしまいます。
自分で選びたい気持ちが強い
小学生、とくに中学受験を考える頃になると、「自分で選びたい」「自分で決めたい」という自立心が芽生えてきます。
大人から見ると「わがまま」に映りますが、実は成長の証でもあります。
やらせる」より「気づかせる」関わり方
無理にやらせると、ますます拒否感が強くなる
「やりなさい!」と言えば言うほど、子どもは心を閉じてしまいます。
表面上はやったとしても、「イヤイヤ学習」になり、力が定着しません。
「どうしてやりたくないの?」と気持ちを聞く
「苦手だから?」「むずかしいから?」
「どこが嫌だと思う?」
気持ちを言葉にすることで、自分自身でも「なぜやりたくないのか」を整理できます。
親が聞いてくれるだけで、「やらなきゃ」という気持ちが芽生えることもあります。
小さな「できた!」を積む
「10問全部やろう」ではなく、「1問だけ一緒にやろう」と提案してみる。
「できた!」という経験が増えると、少しずつ苦手への抵抗感が薄れます。
苦手科目を「遠ざける」代わりに「近づける」
苦手科目を分解してみる
例えば「算数が嫌い」と言っても、
- 計算はできるけど文章題が苦手
- 図形だけが難しい
など、細かく見ていくと「できる部分」と「苦手な部分」が混ざっています。
好きなことと結びつける
理科が好きなら、算数の「割合」を理科の実験に結びつける。
国語が好きなら、算数の文章題を「物語」として読んでもらう。
「これは面白いかも!」と思えた瞬間に、子どもの態度は少しずつ変わります。
苦手を「遊び」に変える
場合の数や規則性の問題は、カードゲームやパズル形式にして遊ぶ。
漢字の練習を、クイズ形式にする。
「遊び」の中で「わかった!」が増えると、苦手意識はやわらいでいきます。
中学受験は「気持ちの育て方」が大事
中学受験は、知識や技術だけでなく「心の強さ」も大切です。
嫌なことに挑む力、間違えても戻ってこれる勇気、自分で考える粘り強さ…。
これらは、無理やり勉強をやらせても育ちません。
むしろ、苦手に挑戦する気持ちを一緒に育てることが、合格以上の「生きる力」につながります。
「一緒に考える時間」を大切に
子ども自身に選ばせる
「今日、どこからやる?」
「先に好きな科目をやる?それとも苦手を先に済ませる?」
自分で選ぶと、取り組む気持ちが変わります。
小さな目標を立てる
「今日は文章題を1問解く」
「今日は理科の暗記カードを5枚だけ」
小さな目標を達成するたびに「できた!」が積み重なり、少しずつ苦手なことにも向き合えるようになります。
親も「完璧」を手放す
「全部終わらせないと…」「完璧にできないと…」と、親の方が力んでしまうことがありますよね。
でも、子どもが「やってみようかな」と一歩踏み出した瞬間こそ、一番大切な成長です。
まとめ
- 「やりたいことしかやらない」のは「できる」を求める気持ちの表れ
- 叱るより「気持ちを聞く」「小さく進める」
- 苦手科目を分解して「遊び」と結びつける
- 親も「完璧」を手放す
- 「やってみよう」の気持ちを一緒に育てる
「やりたいことしかやらない…」と焦る気持ち、すごくよくわかります。
でも、子どもは自分なりに「やってみたい」「楽しみたい」という小さな気持ちを持っています。
その小さな芽をつぶさずに、一緒に水をあげるように育てていきましょう。
中学受験は「どこに合格するか」だけではなく、「どんなふうに頑張れたか」が大切な宝物になります。
お母さんの「大丈夫だよ」という言葉が、子どもにとって一番のエネルギーです。
IQ教室代表。幼児からの中学受験専門指導歴20年以上。これまでに230名以上の保護者と向き合い、一人ひとりの「考える力」を育てる指導を実践してきました。自身の教育観は「知識だけでなく、未来を切り開く思考力を育むこと」。偏差値や合格実績だけではなく、子どもたちが自ら考え、自信を持って挑戦できる力を重視しています。現在も教室で直接指導を行いながら、保護者向けセミナーやブログで情報発信を続けています。最新の中学受験事情や、日々の子育て・学習に役立つリアルな視点をお届けします。
